一つひとつの経験が、
確かな力になっていく。


Fさん
2015年入社
製造業で溶接などを経験し、未経験の汎用旋盤に挑戦したいと三陽のホームページを見て応募。入社以来、ずっと汎用旋盤ひとすじ。

Tさん
2023年入社
子供の誕生を機に、前職の印刷業から手に職をつけられる仕事を求めて転職。未経験歓迎の三陽に魅力を感じ、入社後は汎用旋盤に従事。

第一印象
「職人の世界」の
イメージが一変

Tさん
職人の世界って、空気がピリッとしていて、なかなか教えてもらえない…そんなイメージがありました。ですが、Fさんは物腰が柔らかくて考え方も柔軟で。工具の使い方から何から、未経験の僕にも分かるように、1から10まで細かく丁寧に教えてくださいました。

Fさん
うん、たぶん怖いイメージを持ってるだろうなと思ってたよ(笑)。だからこそ、何度でも気軽に質問できる雰囲気を作ろうと心がけてた。僕にとってもTくんは初めての弟子だったから、しっかり教えたいと思ってたんだ。

Tさん
それも、教科書通りのやり方だけじゃなく、Fさん自身の経験を踏まえて教えていただけるのが、とてもありがたかったです。それに、僕が高価な部品の切削に失敗してしまった時は、「自分もやったことがあるよ」と、気持ちを和ませてくれましたね。

Fさん
僕も山ほど失敗してきたからね。失敗は引きずるより、すぐに正直に報告して次はどうするかを前向きに考える方がいい。僕も未経験で入社したからこそ、Tくんの気持ちを分かってあげられる所は多いと思ったよ。

仕事内容
戸惑いながらも
「意味」を大切に

Tさん
まずは教えてもらったやり方をメモして、それを忠実に実践していくことから始まりました。でも正直、「言われたことをコピーしてやるだけで本当にいいのかな…?」と、戸惑いもありました。

Fさん
うん、それは自然なことだと思うよ。とはいえ、全く意味を理解せずに作業するのは良くないと思ったから、「なぜその工程をするのか」はできるだけ説明するように心がけてた。

Tさん
はい。例えば、決められた寸法まで一気に削った方が早くできそうなのに、あえて1mm余分に残して削り、別の工程を間に挟む…と言うやり方があって。それは、品物の精度が上がったり、次に作業する人がやりやすくなるようにという理由があるからなんですよね。

Fさん
そう、必ずしも効率が一番ってわけじゃなかったりね。まずはメモ通りに進めてみて、意味も分かってくると、「こうしたらどうなるだろう?」と考えるようになる。それをまた教えて、メモしてもらうことで、知識や技術が増えていけばと思ってたよ。

成長を感じた瞬間
気づきから行動へ
高まる自主性

Fさん
指示書を渡しただけで、最後まで一人で作業をこなしたのを見た時に、成長してるなと感じたよ。途中で何か聞きに来るかなと思ったけど、自分で考えてやりきったよね。

Tさん
それこそ、これまでFさんに聞いて書き溜めてきたメモのおかげでした。メモが「こんな時はどうするか」の自分なりの汎用旋盤のトラブルシューティングみたいになっていて、それを見れば解決できるようになってきました。

Fさん
まさに、メモが知識や技術になってきた証拠だね!最初はただ書いてただけでも、ある程度自分ができるようになってから見返すと、「ああ、そういうことだったのか」と腑に落ちることもある。メモの間違いに気づくこともあるし(笑)。

Tさん
「めちゃくちゃ回りくどいことしてたな」と気づいたりもしますね(笑)。でも、そういう遠回りも決して無駄じゃなく、有意義な経験だったと感じます。

Fさん
そうだね。あともう一つ、Tくんの成長を感じたのは、僕から何も言ってないのに、作業に必要な工具を準備して渡してくれるようになったこと。技術面だけじゃなく、先を読む力や気遣いも身についてきたんだなって感心したよ。自分の仕事だけじゃなく、周りをよく見てないとできないことだから。

Tさん
もし自分がやるならこの工具があったら助かるな、すぐに測定器を使える方がいいな、と考えられるようになってきたのかなと思います。それに、「Fさんが出来の悪い弟子を持っている」と思われるのも嫌なので(笑)。技術がまだまだな分、できることは率先してやりたいです。

今後の目標
自分なりのやり方で
高みを目指して

Fさん
自分の手で動かす汎用旋盤は、精巧さが職人に委ねられる部分が大きい、難しさと面白さがある仕事。Tくんにはこの調子で、自分で考えて、自分のやりやすいやり方を見つけながら取り組んでいってほしい。そうすれば、さらにグッとレベルが上がると思うよ。

Tさん
はい、頑張ります!ただ、Fさんにはずっと追いつけない気がしています。もし僕が今のFさんのレベルに届いたとしても、その時にはきっともっと上に行っているんだろうなと…。それでも少しでも近づけるように、自分のやり方を見つけて、全部できるようになっていきたいです。

Fさん
そう言われると、僕も今でも自分の師匠をずっと追いかけてるな…。それが三陽の社風なのかもしれないね(笑)。でも、最近は本社の方から「Tくんの手がける品物の精度が上がってる」という声も聞いてるよ。自信を持って頑張ってほしい!

Tさん
そういう声を毎回ちゃんと伝えてくださるのも、すごく励みになります。いつも本当にありがとうございます。これからもご指導よろしくお願いします!